コラム

2016/12/01 「地域医療連携のピットフォールとブラックホール」第1回

平成28年12月1日、だいどうクリニックにおいて、「地域医療連携のピットフォールとブラックホール」と題した勉強会の第1回が開催されました。この勉強会は、地域包括ケアアシステムの構築の重要性が益々高まる現代において、介護にかかわる法的紛争も今後増えていくのではないかということを見越して、社会医療法人宏潤会大同病院を中心に立ち上げられたものです。介護にかかわる多職種の皆様にお集まり頂き、名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻の平川仁尚先生、弁護士法人名古屋総合法律事務所の浅野了一先生、そして私、三宅坂総合法律事務所の弁護士伊東亜矢子が講師となって、介護にかかわる裁判事例2例を取り上げてのグループワークを行いました。

今回は、介護の現場で多く起こる転倒事故、誤嚥事故を取り上げ、転倒事故事例では私が利用者の娘役となり、介護支援専門員酒井静子様にもご協力を頂いて、ロールプレイを行いました。誤嚥事故事例でも、名古屋総合法律事務所の塚本菜奈子先生が患者の孫役、私が同行した弁護士役となり、同様にロールプレイを行いました。いずれも、受講者の方に施設の事務長役などをお願い致しました。短い時間ではありましたが、実例をもとにした実演でもあり、皆様に「介護現場あるある」感をお伝えできたのではないかと自負しております。

その後、それぞれの事例について、5択の問題をお出しし、グループに分かれて問題の回答と理由について討議頂きました。平川先生や、総合司会を務められた大同病院の野々垣浩二先生が、敢えて誤った回答に誘導されるような巧妙なご発言を混ぜて下さったこともあり、皆様からは色々な回答を頂きました。「正解肢無し」との回答もありました。

事例ごとに、皆様の回答と理由の発表が終わったところで、浅野先生より法的観点からのご解説を頂き、出題者の私が正解と、設例のもととなった裁判例で言及されていることなどをお話し致しました。

終始活気ある討議が行われ、ことに、途中で野々垣先生より、実は優秀グループへはご褒美として弁護士の無料相談券があるんですよとアナウンス頂いてからの盛り上がりは相当なものでした。正解肢を選ばれなかったグループからも、理由としては「なるほど」と思うことが多々あり、優秀グループの選定は迷いましたが、2題とも正解され、理由として裁判所が指摘していることを正に指摘されたグループを選ばせて頂きました。浅野先生から優秀グループ代表に相談券をお渡し頂き、会場の盛り上がりは最高潮となりました。

勉強会後は懇親会も催され、ざっくばらんな場で皆様から現場の色々なご苦労などお聞かせ頂くことができました。私たち弁護士はどうしても、紛争化してしまった段階から「事件」として関与することが多いところですが、個人的にはもっと、日々現場で起きる問題について、今どうしたらいいの、ということを気軽にお聞き頂ける間柄であれればと思っており、そのような関係作りの第一歩となったのではないかと思っております。