医療法務

CASE

SNSに病院職員が患者さんを揶揄するような投稿をしてしまった場合に、当該職員については厳重注意処分とするとともに、今後の再発防止策としてSNSに関する指針を作成し、全職員に対する研修を行うこととしたケース

※プライバシーに配慮し、実際の相談ではなく標準的なサンプル例となっております。

病院から職員がSNSに患者さんを揶揄するような投稿をしてしまった、どうしたらよいか、というご相談がありました。SNSにより流出した情報は、広範囲に拡散され、不特定多数が簡単に見られる状態となってしまうため、職員に対して懲戒処分や損害賠償請求を行うかどうかを検討する必要があります。

まずは、当該投稿が削除されてしまう前に、プリントアウトするなどにより証拠をとっておくこと、また、その後の拡散の状況も確認しておくことを病院にお伝えし、その上で、病院から職員になぜこんなことを行ってしまったのか等の事情聴取を行い、投稿記事の削除を求めるよう助言しました。

事情聴取の結果、職員としては友人のみの閉鎖的な場への投稿のつもりであり悪意をもって広く拡散させようとしたということまででもなかったこと、反省して投稿をすぐに削除したこと、これまで同種の行為で注意を受けたようなこともなかったこと、病院としてもSNSの扱いについて特に職員への教育を徹底していたとはいえないことなどから、厳重注意処分とし、損害賠償請求までは求めないこととしました。

また、患者さんに対しては率直にお話しし、職員を厳重注意処分としたことも伝えて謝罪されることを助言しました。

今後の再発防止としては、SNSに関する指針を作成し、現在在籍している職員に対してこれを周知徹底すること、今後採用する職員に対しては入職時に指針を明確に告げること、定期的な研修を行うことを助言し、病院の意向も確認しながら指針を作成しました。