患者対応

CASE

治療に疑義を持つ患者さんが電話やメールで主治医の生命を脅かす趣旨の発言などを繰り返し行うようになり、主治医が多大な恐怖感を覚える状況となったため、弁護士が介入して手紙を送り、主治医と共に警察に相談に行き、警察から電話をかけてもらうなどした結果、一定期間経過後に連絡が来なくなったケース

※プライバシーに配慮し、実際の相談ではなく標準的なサンプル例となっております。

手術を受けてもよくならないどころかむしろ前より悪くなってしまったと訴え、主治医に対する恨みを連日電話やメールで述べる患者さんについてのご相談を受けたことがありました。

当初、主治医から患者さんへ、疑問点についての説明を繰り返し行われるなどの対応をとられていましたが、納得が得られるどころか、主治医の生命を脅かす趣旨の発言がなされるようになり、病院としても対応に苦慮されてのご相談でした。

私からは、まず、メールについてはプリントアウトし、電話の場合は録音をとって、証拠として保存することを助言しました。

そして、私自身メールや電話録音を確認したところ、かなり苛烈に主治医を責める内容でした。しかも、徐々にエスカレートしていて、主治医は多大な恐怖感を覚えている状況でした。

そこで、弁護士として介入することとし、患者さんに対し本件の対応を自分が引き受けたので今後はこちらへ連絡すること、生命を脅かすような発言は厳に慎まれたいことなどを書いた手紙を送るとともに、主治医とともに警察に相談に行きました。

警察では、メールや電話の内容を示して患者さんへの注意を要請し、その場で電話をかけてもらいました。

その後も一定期間電話やメールは続きましたが、電話は記録だけ残して主治医には取り次がない、メールもそのまま私に転送頂き主治医は目を通さないということを徹底して主治医には他の患者さんへの医療に専念頂く態勢を整え、一切の回答をせずに経過をみておりましたところ、ある時期から連絡は来なくなりました。

このようなケースでは、弁護士が介入したり警察から注意してもらったりすることで、かえって攻撃が激化する可能性もあり、慎重な検討が必要とはなります。

また、「この方法で直ちに止めさせられる」というような“特効薬” はなく、解決までに相当長期間を要する場合も多くあります。そのため対象となってしまった職員に対して病院が「守る」姿勢を明確にし、当該職員のストレスマネジメントを最優先にして対応策を検討する必要があり、上記事案を参考事例としてご紹介致しました。